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『アルキメデスの大戦』はひどい?漫画版の結末と「数学×軍隊」の評価を徹底検証!

アルキメデスの大戦:櫂 直が制作した戦艦大和のイメージ画像 アニメ・マンガ
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「アルキメデスの大戦 漫画 ひどい」と検索してここに辿り着いた方の多くは、読後に強い違和感やモヤモヤを抱えたはずです

天才数学者が知略で戦争を止める痛快な歴史改変ストーリーだと思って読み進めたのに、待っていたのは爽快感とは正反対の重く救いのない結末

なぜここまで「ひどい」「後味が悪い」と言われるのか
それは単なる出来の悪さではなく、読者の期待を意図的に裏切る構造と、あまりにも冷酷なテーマ設定にあります

本記事では、「アルキメデスの大戦 漫画 ひどい」と評価される理由を、物語構造、結末の意味、映画版との違いという視点から丁寧に解説します

読み終えた後に残る虚無感や絶望感が、実はこの作品最大のメッセージであること
そして「ひどい」と感じたその感情こそが、作者の狙いだった可能性について掘り下げていきます

もしあなたが

  • なぜ櫂直は勝てなかったのか
  • なぜ大和は止められなかったのか
  • なぜこの物語はここまで救いがないのか

    そう感じているなら、この記事はその違和感を言語化する手助けになるはずです

「ひどい」で終わらせるには、あまりにも考え抜かれた作品
その正体を、ここから一緒に紐解いていきましょう

記事のポイント!

  • 期待とのギャップ: 痛快な歴史改変を期待した読者に、救いのない敗北を突きつける構造が「ひどい」と言われる最大の要因。
  • 数学者の絶望的結論: 「大和を完成させ、生贄(いけにえ)として沈めることでしか日本は目を覚まさない」という残酷な合理性。
  • 皮肉な運命: 戦争を止めるための櫂の才能が、皮肉にも「欠陥のない完璧な大和」を完成させる最後のピースになってしまう。
  • 組織の冷徹さ: 平和主義に見えた山本五十六さえ、実は真珠湾攻撃のために櫂を利用していたという軍隊の真実。
  • 作品の本質: 天才の知略でも「時代の狂気」は止められないという、冷徹なリアリズムこそが本作の真のメッセージ。

アルキメデスの大戦 漫画 ひどいと感じる理由 天才・櫂直が迎えた敗北の物語

アルキメデスの大戦:櫂 直が制作した戦艦大和が斉射しているイメージ画像

「ひどい」という評価の多くは、作品の質そのものというより、**「読者の期待と展開のギャップ」**から生まれています。

異色の天才主人公:櫂 直(かい ただし)アルキメデスの大戦 櫂直 モデルは?

物語の主人公。22歳という若さでありながら、数学において並外れた才能を持つ天才です。モデルになった人物がいるのか気になる方もいるのではありませんか!?結論はモデルはいないとのことです。

  • 経歴: 元東京帝国大学(現在の東京大学)数学科の学生
  • 能力: 数学だけでなく、英語やドイツ語などの多言語にも精通。あらゆる事象を「数学的発想」で捉える異能の持ち主
  • 海軍入省の経緯: * 家庭教師をしていた財閥令嬢とのスキャンダルを疑われ、大学を退学処分に
    • 日本という国に絶望し、アメリカ留学を決意するが、出港直前に山本五十六からスカウトを受ける
    • 「巨大戦艦の建造阻止」を条件に、海軍主計少佐として入省
  • 役割: 海軍省経理局「特別会計監査課」の課長
    • 本来は予算を管理する立場だが、その圧倒的な計算能力と発想力を武器に、日本の技術戦略そのものを塗り替えていく存在となっていきます

アルキメデスの大戦 漫画がひどいと言われる3つの理由 天才でも歴史は変えられなかった

1. アルキメデスの大戦 漫画 ネタバレ「圧倒的勝利」への期待

物語の序盤から中盤にかけて、私たちがこの作品に強く惹きつけられた最大の理由は、櫂直という天才が放つ**「圧倒的な知の輝き」**にありました。

その魅力を改めて整理すると、読者が抱いた期待の大きさが浮き彫りになります

物語の幕開け、平山中将が提示した不自然なほど安い「新戦艦の見積もり」。その不正を暴くためにスカウトされた櫂に与えられた武器は、あまりにも心許ないものでした

しかし彼は、自前の定規と「戦艦長門」の設計図というわずかな手がかりから、新戦艦の真の建造費を数学的に導き出してみせます

巨大な軍部の不正を、机上の空論ではなく「緻密な計算」だけで射抜く――。その鮮やかで痛快な逆転劇を目撃したとき、私たちは誰もが確信したはずです

そして、「この異能の天才なら、その数式で狂った歴史さえも書き換え、日本を救ってくれるのではないか

中盤までの展開は、まさにその期待に応えるかのような熱量に満ちていました

アルキメデスの大戦 漫画 史実とは違う 結末を期待

数学的知能を武器に、軍部が抱える「非合理な狂気」を一つひとつねじ伏せていく櫂の姿

それを見て、多くの読者は**「日米開戦を回避し、日本を近代的な平和国家へと導く」という最高の結果**を夢見ていました

「数学という絶対的な正解」があれば、悲劇的な史実すら変えられる。そんな希望を抱かせてくれるワクワク感こそが、本作の前半を支える大きな原動力だったのです

この「大きな期待」が背景にあるからこそ、物語の結末で突きつけられる現実は、より残酷で「ひどい(救いがない)」という感情に繋がっていきます

しかし、結末は正反対でした。

  • 櫂の敗北: どんなに緻密な計算をしても、軍部の暴走、時代のうねり、国民の熱狂という「数式化できない怪物」を止めることはできませんでした
  • 報われない努力: 1巻から積み上げてきた櫂の奔走が、最終的には「日本がより美しく負けるため」という、絶望的な方向にすり替わってしまったのです

2. 「大和を造って、沈める」という残酷な合理性

最も読者を震撼させたのは、櫂が辿り着いた**「日本を救うための最終解」**の内容です

櫂は、戦争を止めることが不可能だと悟った時、数学者として以下の恐ろしい結論を導き出しました。

「日本人は、自分たちが造り上げた最強の象徴(大和)が完膚なきまでに破壊されるのを見ない限り、目を覚まさない」

つまり、**「戦艦大和を、世界一美しく、世界一巨大な『生贄(いけにえ)』として完成させ、それを米軍に沈めさせることで日本に降伏を促す」**という計画です。

「大和建造を阻止する」ために始まった物語が、「大和を確実に沈めるために造る」という結末へ着地したことは、勝利の爽快感を求めていた読者には耐え難い「ひどい裏切り」に感じられました。

 3. アルキメデスの大戦 漫画 「歴史は変えられない」 なんJの評価

本作は、エンターテインメントとしての「if(もしも)」を提示しながら、最終的には**「歴史の修正力」「人間の業」**という冷徹なリアリズムを突きつけます

  • 読者(なんJ)の心理: 「櫂直なら、歴史を塗り替えて日本を救ってくれるはず!」
  • 作品の回答: 「どれほどの天才でも、一度動き出した巨大な破滅の歯車は止められない」

この「努力が無に帰す感覚」が、読み終えた後の強烈な虚無感=「ひどい結末」という評価に直結したのです

アルキメデスの大戦 漫画 打ち切りか ⁉テンポの速い最終回、天才でも歴史は止められなかった結末(ネタバレあり)

彼は歴史を止めることができませんでした

  • ミッドウェー海戦
  • サイパン陥落
  • 東京大空襲
  • 沖縄戦
  • 広島、長崎に原爆投下
  • そして終戦

そのすべてを前にして彼は何もできなかった。そう言い切れてしまう結末でした

あまりにも淡々と物語が閉じられたため、打ち切りだったのではないかという声が上がったのも無理はありません

『アルキメデスの大戦』は櫂直が数学の力で戦争を止めようと奮闘する物語です

しかし最終回では終戦後の櫂が戦争犯罪人として巣鴨拘置所に勾留されている姿が描かれます

彼はデビットという人物に激しく追い詰められながらも
数学と戦艦大和の最期について語り続けます

そこにあるのは数学で戦争を止めるという
彼が最後まで捨てなかった信念です

そしてその信念の先に彼が見出した未来、戦艦大和という存在が背負わされた
あまりにも悲劇的な役割と最期

物語は勝利でも救いでもなく重たい現実と余韻だけを残して
静かに幕を閉じます

アルキメデスの大戦 漫画 :ひどい理由を映画版から考察 大和は救いではなかった

アルキメデスの大戦:櫂 直が制作した戦艦大和が沈んでいくイメージ画像

映画版のクライマックスで、菅田将暉さん演じる櫂直が直面した真実は、単なる「会議の勝敗」を超えた、恐るべき**「滅びのデザイン」**でした。

1. 善意と正義が「最悪の兵器」を完成させる皮肉

櫂は、平山案の欠陥(復原性の不足)を見事に指摘し、一度は巨大戦艦の建造を阻止しました。

しかし、物語の皮肉はここからです

「戦争を止める」ために戦っていたはずの櫂の数学的才能が、最終的には**「欠陥のない、完璧な大和」**を完成させるために利用されてしまいます

自分の才能が、最も望まない未来の「最後のピース」になってしまうという展開は、読者・視聴者に強烈な無力感を与えました。

2. 「日本の依代(よりしろ)」という呪い

平山中将が語った「大和は、日本の身代わりとして沈むための依代である」という理屈は、合理的でありながら狂気に満ちています。

  • 負け方を知らない日本人のため、象徴を完膚なきまでに破壊させる。
  • 国民の熱狂を絶望に変えることで、国が滅びる前に目を覚まさせる。

この「大和=日本そのもの」というメタファーは、進水式のシーンで頂点に達します

美しく巨大な大和を見上げ、涙を流す櫂の姿は、**「救いたかった日本が、今まさに死出の旅に出るのを見送るしかない」**という絶望を象徴していました。

3. 山本五十六という「もう一人の怪物」

また、映画版では山本五十六が「平和のため」と言って櫂を利用しながら、実は**「空母による真珠湾攻撃(積極的な開戦)」**を企てていたという裏の顔が描かれます

「軍隊という組織に、本当の意味での平和主義など存在しない」という冷徹な描写が、物語の「ひどさ(救いのなさ)」をより際立たせています。

3. 『アルキメデスの大戦』を楽しむための視点

本作を「ひどい」で終わらせないためには、以下の視点を持つのがおすすめです。

  • 「if(もしも)」ではなく「宿命」の物語: 歴史を変えようと足掻くほどに、史実(大和の悲劇)へと収束していく皮肉を楽しむ
  • 「愛国心」の形を問う: 櫂直がなぜ最終的にあの決断をしたのか。それは日本を滅ぼさないための、彼なりの「数学的な正解」だったのではないか
  • 映画版との比較: 菅田将暉さん主演の映画版は、漫画版の序盤をベースに非常に綺麗にまとまっています。漫画の展開が重すぎると感じた方は、映画版を見ると作品のテーマがより明確に伝わります

4.アルキメデスの大戦の漫画が無料!?

2025年12月現在。22巻まで無料で漫画BANGのアプリで読むことが出来ます。年末で時間がある方は是非自身でよんでアルキメデスのたいせんがひどいか考えてみませんか?

『アルキメデスの大戦』はひどい?漫画版の結末と「数学×軍隊」の評価を徹底検証!の概要

記事の内容をまとめてみました

『アルキメデスの大戦』:絶望の数式が導き出した「ひどい」結末の真実

  • 読者の期待:知略による歴史改変
    • 定規一本で巨大戦艦の見積もりを暴く櫂直の「知の輝き」に、読者は「数学で悲劇的な史実を塗り替えてくれる」という最高の結果を期待した。
  • 「ひどい」の正体:期待と現実のギャップ
    • 痛快な逆転劇を望む読者に対し、突きつけられたのは「どれほどの天才でも時代の狂気は止められない」という冷酷な敗北のリアリズムだった。
  • 残酷な最終解:「沈めるために造る」
    • 戦争を止められないと悟った櫂は、「日本を救うためには、国民の象徴(大和)が凄絶に沈む姿を見せ、絶望させるしかない」という救いのない合理性に辿り着く。
  • 才能の皮肉:滅びのピースとなる主人公
    • 戦争を止めるはずの櫂の数学的才能が、皮肉にも「欠陥のない完璧な大和」を完成させるための最後の鍵となってしまい、自らが「死の装置」の創造主へと変貌する。
  • 軍部の闇:山本五十六の裏切り
    • 平和主義者のように振る舞い櫂を利用した山本五十六さえ、実は「空母による真珠湾攻撃」を目論んでいた。この「真の平和主義者などいない」という描写が虚無感を加速させる。
  • 作品の本質:「負け方」をデザインする悲劇
    • 本作は「勝つ物語」ではなく、美しく沈むことで国を再起させる「依代(よりしろ)」を造る物語。この徹底した「報われなさ」こそが、作者の狙いであり最大のメッセージである。