『ドンケツ』といえばロケマサです
性格は一言で言えば最悪で
上下関係や礼儀に厳しいヤクザ社会の中でありながら、ロケマサは相手が上役であろうと一般市民であろうと、傍若無人な振る舞いを見せます。揉め事を常に探し、短気で横暴な魅力的な面が目立ちますが…
そんな『ドンケツ』の陰を支える孤月組の影の立役者、槇原行雄。
その名前で検索すると「死亡」という言葉が関連ワードとして表示されます
しかし結論から言えば、槇原は命を落としていません
では、なぜ彼の死を疑う噂が広まったのでしょうか
本記事では、槇原の裏社会での立場や過去、抗争中に起きた失敗、そしてその後の行方を詳しく解説します
表舞台には決して出ない影の仕事ぶり、巧妙な偽装、そして「死亡」と誤解されるまでの経緯――その真相に迫ります。
記事のポイント!
『ドンケツ』の陰を象徴する男──槇原行雄の死亡の真相
ドンケツ一気読みしてしまった。最推しは槇原さん。 pic.twitter.com/hb2H2lKY39
— コンセント (@kosent0127) June 27, 2021
槇原行雄とは何者か
槇原行雄(まきはら ゆきお)62歳。
所属は月輪会・孤月組。しかし立場は正式な組員ではなく、肩書きは“雑用係”。
彼に任される仕事は、ただの雑用ではありません。
調査、武器の管理、殺し、そして死体処理――表には出ない孤月組の“汚れ仕事”のすべてを担っています。
見た目は小汚く、誰もが近寄りたくない雰囲気を漂わせています。
しかし、それはただの不潔さではありません。
おそらく彼は、あえて小汚い格好をすることで存在感を薄め、影に徹する立場を貫いているのでしょう。
しかし、その彼こそが孤月組の闇を支えているのです。
槇原は表舞台では目立たないものの、裏社会のリアリティを体現する人物です。
まさに『ドンケツ』の陰を象徴するキャラクターといえるでしょう。
借金と横領から裏社会へ──槇原行雄、闇に潜む孤月組の男
その背景には「伊藤久史」というもう一つの名前があります
彼はかつて熊本で多額の借金を抱え、さらには会社の金を横領し
行き場を失い、指名手配までされてしまった伊藤は、北九州へと流れ着きます
そこで彼が選んだのは、別人の戸籍を使い“槇原行雄”として生きる道です
なので、表立った行動はできません
素性が割れれば、逮捕のリスクや借金取りの追い込みがかかるかもしれません
では、なぜ彼はやくざの世界へ足を踏み入れたのでしょう
理由は単純で、そして切実――残した家族に金を渡したいからです
槇原は情に鈍感で、人との繋がりを強く求めるタイプではありません。
しかし、家族には「せめて金だけは残したい」という思いが、彼を突き動かしました。
目立たずに大金を稼ぐ――やくざとしての裏方の仕事。
汚れ仕事で身を隠しつつ稼ぐ、この生き方は、槇原にとってまさにぴったりだったのです。
孤月組の裏方へ──槇原行雄、冴えない中年が掴んだチャンス
しかし、簡単にやくざになれるわけではありません。
まず接点がないのです…
そこで槇原は、居酒屋で一計を案じたのでしょう。
「どこに行けばやくざに会えるか」と考え、目をつけたのが飲んでいた金田だったのでしょう。
飲んでいた金田に絡み、強引に自分を売り込みます
「あんた、やくざでしょう。
私を舎弟にしてください」
もちろん、金田も中年男性の舎弟なんていりません
金田にしめあげられますが、槇原は決してあきらめませんでした
あまりにもしつこく迫ったため、金田は仕方なく事務所に槇原を連れて行くことになりました
孤月組渡瀬組長に「組員にしてください」と頼みますが、ここでも断られます
それはそうですよね…
誰もよくわからない冴えない中年の組員なんて欲しくはないですよね
「早く帰れ」と、冷たくあしらわれるだけ
借金や横領のことを訴え、逃げ場がないと必死に訴えますが
ロケマサには強引に追い出されそうになりますが
槇原は引き下がりません
「私は担保の調査委員でした。人探しも情報収集も得意です。どこにでも侵入できます。人殺しだってできます」と必死の懇願します。
必死の懇願に、組渡瀬組長は条件つきで応じます。
「わかった、1回だけチャンスをやる」──
斜め上の報告、渡瀬の合格宣言
組織の情報をサツに流したバカがおる、本家からもさがせ
そいつを連れてこれたら使ってやると指示が出ます
一週間後、大きめのバッグを手にした槇原が現れます
ターゲットを岐阜で見つけたといい
「あんな怖そうな人を捕まえれまることができなくてと」言います
組渡瀬組長は、てっきり槇原が場所を見つけただけだと思い
「小遣いをやるから、さっさと帰れ」と言います
「あのバカはまだ岐阜にいるんか」と問われますが
「いえ、もういません」と答える槇原
置いていたカバンを開くと、そこにはターゲットの顔が入っていました
「殺すのはまずかったですか、失格ですか」と
真面目な顔で斜め上の発言する槇原に渡瀬は一瞬呆然としすが…
「いや、合格」といいます
槇原が誕生した夜、渡瀬との約束
「お前は今日から槇原。お前は組員じゃない、裏方だ。闇に潜み、俺のために働け」
「お前を使うと決めたからには、俺も腹をくくる。お前を鬼と思って指令を下す」
渡瀬は槇原を手に入れたことに喜んびますが
一つだけ槇原と約束します
「もし、一般人に戻りたくなったら――俺が全力で戻してやる」
少しばかりの良心が残っているうちに約束をしたい言います
ここに、槇原を利用して裏の仕事をさせることへの抵抗と、渡瀬の優しさが垣間見える。
ヤクザであっても、外道にはなりたくなかったのかもしれません。
その後槇原は抗争がない時は、対立組織の親分、幹部の情報を事細かに調べ、抗争時はその情報を孤月組にっ情報提供や暗殺、死体処理など孤月の影の立役者になります
孤月組の影――槇原の油断
渡瀬のもとで影の立役者となった槇原は、抗争がない時でも手を休めることはありませんでした。対立組織の親分や幹部の動向を洗い出し、孤月組や周辺の組織の情報を事細かに調べ上げます。
そして抗争が勃発すれば、その情報をもとに孤月組へ提供し、暗殺や死体処理まで黙々とこなす――まさに影の鬼としての存在でした。
しかし、完璧に見えた槇原の仕事ぶりにも、徐々に油断が芽生えていきます。
連日の任務で培った自信と成功体験が、知らず知らずのうちに心の隙間を作ってしまったのです。
その隙に、わずかなミスや感情の揺らぎが忍び込み、槇原はいつも通りの正確さを失ってしまいます。普段なら何でもない判断も、その瞬間だけは読み違え、任務は小さな失敗をしてしまいます。
この小さな失敗が引き金となり、事態は思わぬ方向へ転がります
この小さな失敗が引き金となり、事態は思わぬ方向へ転がっていきます。情報伝達の連鎖によって徐々に膨れ上がり、やがて「槇原死亡」という噂がGoogleなどで拡散されるようになります。
影の槇原、許されざる失敗
月暈組組長が抗争に臨む中、槇原は月輪会執行部の淡口の不審な動きに気づいた。彼はひそかに、その後を追い始める。
十五夜の夜、淡口がハングレらしい男と会っている現場を目撃する。
槇原はすぐさまその男を尾行したが、やがて山道の一本道に入り込んでしまう。前方には門が立ちはだかり、背後にはドムの仲間たちに取り囲まれれてしまいます
槇原は銃を持っておらず、この場を切り抜けるため、とっさに言い訳を考えますが
「鉄くずを盗もうとしていました──」
しかし、ドムの仲間がふと思い出す。丈二さんが孤月について、「小汚いじいさんの暗殺者がいるかもしれない」と言っていたことを
カバンの中を覗かれると、携帯やタブレット、発信機まで入っているのが見つかり、槇原は最悪の事態を覚悟します
しかし次の瞬間、カバンの中から山のようなエロ本や女性の写真が出てきます
ドムの仲間はたちまち槇原を変態ストーカーだと誤解し、「このじじぃ、どうするか…」と悩み始めるます
それこそが、槇原の巧妙な偽装だった
それでも、杉田丈二の言葉がどうしても心に引っかかっていた。槇原は捕らえられ、拷問を受けまてしまいます
誰かの声が響く──「そんなに死にたいのか」
槇原は答えます──「死ぬことよりも、耐えがたいものがある」
その後、ドムの手下が丈二に捕獲の証拠写真を送る。返事は──「殺すな。絶対に逃がすな」
槇原が孤月のキーマンだと気づいた手下たちは、彼のもとへ向かういます
槇原は自ら手を足で踏みつけ、無理やり骨を折って手錠を外し、戻ってきた見張りに尖った刃物で襲いかかり、殺害し逃げ出します
しかし、再び捕まってしまいます
丈二らも槇原の重要性に気付き急いで本拠地に戻りますが、孤月組が先に到着し
槇原は桃次郎に発見され、ロケマサから叱責されれてしまいます
「いらんことをするな」
槇原は静かに答える──
「ここまで役立たずになり下がった私は、消えた方がいいのかもしれない」
プロとして、槇原にとって今回の失敗はどうしても許せないことでした
槇原、消えた日――孤月組影の立役者と『死亡』デマの真相
普段なら、もう少し早く気づくはずだったのに――
周囲に目を配らず、ほんのわずかな油断と慢心が入り込んでしまった
その事実が、自分自身に対して、どうしても許せませんでした
「親分、私ね。
知らぬ間に体重が増えていたんです。
自分の体の管理もできないほど、
気が緩んでいたんです。」
渡瀬組長に自分の管理もできないほど、気が緩んでいたこと、尾行は露見し、敵に捕まり、拷問を受け、素性まで知られてしまった事を話します
勘は完全に鈍っていて、もう使い物にならないと
隠密として周囲に迷惑をかけるなら、さっさと消えた方がいい
槇原は今回の失敗で情けない──そう自覚していても、自害することすらできない自分が許せませんでした
槇原はしばらく黙っていたが、やがて静かに口を開いた
「鍛え直せば、まだやれるはずだ。きっと、親分のためにできることがまだありますと」
槇原は首を振る。「お前は十分働いた。いよいよ、ゆっくり生きる時が来た。別の人間になる手はずも整えとんやろうが……」
しかし槇原の瞳は揺らぎません
槇原は首を横に振り
組長の言葉を否定するわけではないが、その瞳は揺るがなかった。
「親分、私は殺人鬼です。そして、あなたはやくざです。業の深い我々に、平穏はありません。ひたすら修羅の道を進むだけです。必ず戻ります。それまで、休暇をください」
その後、槇原はどこかへと姿を消した。誰も彼の行方を知らず、孤月組の内部でも外部でも情報は途絶えていた。
やがて、人々の想像と噂が膨らみ、「槇原死亡」といったデマが広まっていきました。
Googleで検索すると「槇原 死亡」と表示されるほどにまでなったのです。真相がわからないまま、人々の口とネットの世界でねじ曲げられていきました。
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