異形の天才児として生まれたマキバオーは、出会った相棒ネズミのチュウ兵衛とともに“うんこたれ蔵”と呼ばれながらも、その類い稀な才能を開花します
元天才騎手・山本菅助との最強コンビで挑んだライバル・カスケードとの激闘は、日本ダービー同着優勝という伝説を生みました
しかし、精神の支えだったチュウ兵衛の死、そして自らの心臓の限界という運命がマキバオーを襲。
命を燃やし尽くして引退し、ついにはその生涯を閉じたマキバオー。しかし、その魂は母・ミドリコの子、続編の主人公ヒノデマキバオーに受け継がれ、伝説は新たな世代へと生き続ける
記事のポイント!
- マキバオー死亡フラグを回避、緑子の思い、競走馬として見せた奇跡の勇姿
- 緑子の大誤算!個性派子馬マキバオーの誕生
- マキバオー 死亡寸前の運命――母が掴んだ希望の一筋
- マキバオー、運命の出会い――ネズミのチュウ兵衛と“うんこたれ蔵”誕生
- マキバオーとミドリコの再会――母の愛に気づいた奇跡の瞬間
- 「ありがとう、お母さん」――マキバオーの感動の再会
- マキバオー、最強ライバル・カスケードとの公開調教で衝撃の敗北
- タレ蔵の秘められた才能!心臓4倍の奇跡と特訓の再開
- 小さな巨馬タレ蔵と天才騎手・山本菅助の出会い
- 衝撃のデビュー戦!白い珍獣が起こした奇跡
- スパルタ調教師の思いとマキバオーの弱点
- 必殺の「つま先走法」が奇跡を起こす!
- 2歳王座決定戦!朝日杯3歳ステークスでの奇策
- 信頼が生んだ驚異の「目隠し走法」
- 中山G1クライマックス!神の素質、カスケード覚醒
- モンゴルでの特訓が生んだ、驚異の必殺走法「マスタングスペシャル」!
- マキバオー チュウ兵衛死亡シーンとは?知られざる完結編の衝撃
マキバオー死亡フラグを回避、緑子の思い、競走馬として見せた奇跡の勇姿

引用元:スタジオぴえろ
緑子の大誤算!個性派子馬マキバオーの誕生
物語の始まりは、のどかな緑牧場
そこで、競走馬の**緑子(ミドリコ)**が出産の時を迎えます
ところが、生まれてきた子馬は少し変わっていました
豚の胴体にカバの頭をつけたような姿で、体格は大型犬ほど。とても普通の馬には見えない容姿をしていました
そして、なんと自力で母の胎内から出てこようとするという、前代未聞の行動を見せるのです
このシーンからすでに、マキバオーの並外れた根性と個性が垣間見えます
無事に生まれたマキバオーを見て、母の緑子は思わずひとこと
「間違えました」と言ってお腹に戻ろうとするという、ギャグ調ながらも愛情にあふれた名場面です
マキバオーの父親はタマーキン
緑子とタマーキンの間に生まれた、奇跡の子がマキバオーでした
マキバオー 死亡寸前の運命――母が掴んだ希望の一筋
しかし、生まれてすぐにマキバオーは残酷な現実に直面します。
牧場の関係者たちはその姿を見て、「こんなの競走馬になれない。馬肉にして売るしかない」と話し合っていたのです
母・緑子は絶望しながらも
たった一つの希望を見出します…それは、「この子を競走馬として育てる」という決意でした
緑子はマキバオーに潜在的な力強さとスピードがあることを感じ取っていたのです
一方、緑牧場は経営難に陥っており、看板馬のボンジュールがヒゲ牧場に売られることになっていました
ところが、引き取りの日――なぜかボンジュールの姿がありません
代わりに連れて行かれたのは、母・緑子でした
マキバオーは母を追って、トラックに向かって必死に走ります
その走りは、幼いながらも驚くほど速く、母への愛が生んだ奇跡のスピードでした
しかし、必死の思いもむなしく、緑子は連れて行かれてしまいます
マキバオー、運命の出会い――ネズミのチュウ兵衛と“うんこたれ蔵”誕生
マキバオーは森の中で、のちに運命の相棒となるネズミのチュウ兵衛に出会う
そのとき、名を付けてもらうことになる――最初に浮かんだのはなんと**「キンタマたれ男」**でした
逃走の途中、森の中でマキバオーは野犬の群れに襲わます
必死に逃げるなかで、思わず“あるもの”を漏らしてしまう――
その様子を目撃したチュウ兵衛は、思わず**「うんこたれ蔵」**と名付けます
こうして、マキバオーは正式に“うんこたれ蔵”としての人生(馬生)を歩み始めることになるのです
危うくとんでもない名前になるところだったが、結果的に“うんこたれ蔵”という、どこか憎めない愛嬌のある名前が定着しました。いや…どっちもどっちですね笑
マキバオーとミドリコの再会――母の愛に気づいた奇跡の瞬間
マキバオーは母・緑子を訪ねてヒゲ牧場へ訪れます
しかし再会した緑子は、話しかけますがマキバオーを無視します
マキバオーも必死に粘って言いいます。
「なんで、なんでってなんだよ。匂いでわかるよ」
しかし、緑子は突き放すように言います
「私の子供なら、あんな泣き虫じゃない」
その言葉に、マキバオーは深く傷ついくのでした
緑子の思いに気がつかずに…
「ありがとう、お母さん」――マキバオーの感動の再会
しかし、森を歩いている内に、マキバオーは気づきます
母が自分を見捨てたのではなく、心を鬼にして子供のために見守っているのだと
再び緑子の元へ戻ったマキバオーは、勇気を出して話しかけます
「おばちゃん、頼みがあるんだ」
そしてこう続けました
「僕のお母ちゃんに会ったら、元気だったと伝えてください
あと一度でいいから、お母さんの代わりになって、甘えさせてくれませんか?」
緑子はしばらく考えたあと、静かに答えるます
「いいわよ」
マキバオーはたまらず、「ありがとう、お母さん」と呼びかけます
この心温まるやり取りは、物語の中でも特に感動的なシーンとして語られています。この出来事の後、マキバオーはチュウ兵衛親分と共に、競走馬としての新たな道を歩み始めます
マキバオー、最強ライバル・カスケードとの公開調教で衝撃の敗北
緑牧場のオーナーがリッチファームのオーナーに借金返済の話で呼び出されたと聞き、タレ蔵はこっそりクルマに忍び込んでリッチファームへ向かいます
そこでタレ蔵は、朝日杯3歳ステークス(当時)で3着になった先輩馬・スピードボールと練習中に
無理やり参加しスピードボールと、タレ蔵は互角の勝負を繰り広げます
しかしそのとき、漆黒の影が現れ、タレ蔵とスピードボールをあっという間に抜き去ります
その馬こそ、カスケードでした。
リッチファームのオーナーによる挑発もあり、タレ蔵はカスケードとの公開調教に挑みます
力の差は歴然でした。タレ蔵は必死に食らいつきますが、カスケードは涼しい顔で淡々と走り、ラストスパートで楽々と突き放します
圧倒的な力の差を見せつけられたタレ蔵は、そのショックで心労を再発させ、意識不明のまま病院へ運ばれてしまいます
タレ蔵の秘められた才能!心臓4倍の奇跡と特訓の再開
獣医の診断によると、タレ蔵の心臓の大きさは、通常500kgほどある競走馬と同じサイズだというのです。この時、タレ蔵の馬体重はわずか100kg程度。つまり、全馬体重に占める心臓の割合は、通常の馬の約4倍にあたる4%もあります
獣医はこの強味を「F1エンジンを搭載した純血の仔馬」だと熱弁します。
カスケードに敗北したショックから立ち直れないタレ蔵ですが、この天賦の才能を活かし、チュウ兵衛の厳しい指導のもと、猛特訓を再開します
小さな巨馬タレ蔵と天才騎手・山本菅助の出会い
トレーニングは順調に進むタレ蔵でしたが、彼の前には大きな壁が立ちはだかっていました
それは、あまりにも馬体が小さすぎるため、乗ってくれる騎手がいないという問題です
騎手を乗せられないタレ蔵は、代わりに50キロの砂袋を背負い、海沿いをひたすら走り込むという厳しい訓練をこなしていました
そんな孤独な日々の中、タレ蔵は一人の男と運命的な出会いを果たします。それが、元天才騎手の**山本菅助(やまもと かんすけ)**でした
菅助はかつて落馬事故で愛馬を亡くし、そのトラウマから普通の馬に乗ることができなくなっていたのです
誰も乗れない小さな馬(タレ蔵)と、普通の馬には乗れない元天才騎手(菅助)
誰も予想しなかったこの**「ポンコツ」同士の出会い**こそが、後に競馬界を揺るがす最強コンビの始まりとなるのです!
衝撃のデビュー戦!白い珍獣が起こした奇跡
ついにタレ蔵はトレセンへ入厩し、**「ミドリマキバオー」**として正式に命名されます。その名には「緑牧場の王様になる」という熱い願いが込められていました
そして迎えたデビュー戦、札幌の2歳新馬戦
マキバオーの馬体重はわずか100kg。あまりの小ささと白い姿から、パドックでは**「白い珍獣」として大フィーバー!その人気で2番人気**に支持されます。
しかし、レース直前。母ミドリコを奪ったヒゲ牧場の馬(ヒゲサンダー)の姿を見たマキバオーは、トラウマが蘇り大パニックに!スタート後も制御不能となり、直線で大きく外ラチ(フェンス)にそれてしまいます。
誰もが絶望したその瞬間、牧場長が動きます。
「ミドリコは必ず買い戻す!今お前だけが希望なんだ!」
牧場長は自らの体を張って暴走するマキバオーを受け止め、命がけの熱い想いをぶつけます
この決死の叫びでマキバオーの闘志が復活!一時はビリッケツになったものの、怒涛の猛追を開始します。大外一気ではなく、距離ロスの少ないインコース強襲という大胆な選択します
次々と先行馬を抜き去り、逃げるヒゲサンダーを射程圏内に捉え、最後はヒゲサンダーの妨害を華麗にかわし、まさに奇跡の1着ゴール!
競馬の常識を遥かに超えた、ドラマティックなデビュー戦勝利でした
スパルタ調教師の思いとマキバオーの弱点
マキバオーの調教師である**飯富 昌虎(オブマサトラ)は、史実の調教師がモデルとなっており、「多くの馬を潰してきた」**という陰口(リーディングキラー)を叩かれるほどのスパルタ調教師でした
しかし、彼が厳しい調教を課すのには理由がありました
「わしは馬の血統を変えて能力を高めることはできない。できることは鍛えてやることだけなんだ」
リッチファームのような良血馬と資金力に恵まれた環境に対抗するため、馬が壊れる覚悟で鍛え抜くことが、非良血馬を競馬界で救う唯一の道だと信じていたのです
そんな厳しい調教の中で、マキバオーの弱点が判明します。それは、**「雨の日の濡れた芝の上で滑ってしまう」**ことです
必殺の「つま先走法」が奇跡を起こす!
マキバオー陣営は、雨で滑る濡れた芝への対策として、究極の秘策を開発しました
それが、**「蹄(ひづめ)のつま先を立てて走る」**という奥義です。これにより、まるでスパイクシューズのように芝へのグリップ力を高め、滑るのを防ぐことができるのです
しかし、この走法は足の負担が非常に大きいため、調教師からは**「ラスト100メートル限定」**の必殺技として指示されていました
レースでは、ライバルのニトロニクスに妨害されながらも、闘志を失わなかったマキバオー!最後の直線で渾身の力を振り絞り、この「つま先走法」を発動します
激しい叩き合いの末、マキバオーはライバルを差し返し、見事に函館2歳ステークスを勝利しました。この勝利は、マキバオーの血統や環境に勝る、不屈の努力と奇抜な発想の結晶でした!
2歳王座決定戦!朝日杯3歳ステークスでの奇策
2歳王者を決めるG1戦、朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティステークス)で、マキバオーは同じ世代の最強ライバルたちと初対決します
- カスケード(1番人気)
- アマゴワクチン(3番人気)
レースは、逃げ馬アマゴワクチンを先頭に、追い込み馬であるはずのカスケード、そしてマキバオーも前に出るという、**「3強による逃げ合戦」**という異例の展開に
マキバオーは集団に飲まれそうになりペースを乱しますが、チュウ兵衛師匠がハチマキで視界を遮断し、菅助騎手と共に制御します
目隠しされた状態で、マキバオーはチュウ兵衛と菅助の指示だけに集中し、驚異的な走りを見せます。
信頼が生んだ驚異の「目隠し走法」
朝日杯のレース中、マキバオーは師匠チュウ兵衛の機転により、ハチマキで視界を遮られるという驚くべき状況に陥りました
普通に考えると時速60〜70kmで走る最中に目隠しされるなど、想像するだけで恐怖です。しかし、マキバオーはパニックを起こしませんでした。それは、自分の目となり耳となるチュウ兵衛と菅助の指示に集中し、二人を心から信頼しているからこそできた「驚異の走り」だったのです
彼らとの強い絆が、マキバオーを冷静に保ち、ライバルたちとの激しい競り合いの中で、力を温存することを可能にしたのです
中山G1クライマックス!神の素質、カスケード覚醒
マキバオー陣営の作戦は、カスケードとアマゴワクチンの超ハイペースの消耗戦に巻き込まれず、道中ずっと**スタミナを温存する(脚を溜める)**ことです
そして最後の直線、心臓破りの中山坂の手前で、ついにマキバオーがラストスパートを開始!溜め込んだ力を爆発させ、先行していた2頭を抜き去り、一瞬は先頭に躍り出ます!
しかし、ライバルたちも黙っていません
アマゴワクチンがと強烈な勝負根性で差し返し、再びマキバオーをリードします
そして、運命のゴール直前
最内から漆黒の影、カスケードが飛んできました
天才馬は、頭が地面につくほどの驚異的なフォームで猛加速!まさに「神の素質」が開花した瞬間でした
カスケードはマキバオーとアマゴワクチンを一瞬で置き去りにし、3馬身差をつけて圧勝。レコードタイムを叩き出し、2歳王者の座に輝きました
激闘の結果は、カスケード1着、アマゴワクチン2着、マキバオーは惜しくもハナ差の3着でした。マキバオーの敗北は、カスケードを真の怪物へと目覚めさせるための、最高の引き金となったのです
モンゴルでの特訓が生んだ、驚異の必殺走法「マスタングスペシャル」!
マキバオーの成長の大きな転機となったのが、モンゴルでの修行です。
ここで彼は第一の必殺技、「マスタングスペシャル」を再覚醒させることになります
これは、マキバオーの走り方の原点とも言える走法です。一般的なサラブレッドは四肢がバラバラに動きますが、この走法は前後対称に左右の足を動かすのが最大の特徴です
これにより、一度の蹴りで通常の2倍の力を生み出すことが可能となり、回転が同じならば理論上は倍のスピードを得ることができるのです
マキバオー チュウ兵衛死亡シーンとは?知られざる完結編の衝撃
俺はチュウ兵衛を絶対忘れない。 pic.twitter.com/Bx1bqOLHCI
— マイコック卍スモール (@kazuki19841125) April 17, 2023
G1皐月賞の壮絶な戦いと忠兵衛親分
その後もレースを勝ち上がりとうとう
G1皐月賞では、黒い帝王・カスケードと、白い神馬・マキバオーによる壮絶な争いが繰り広げられます
レース終盤、チュウ兵衛親分はマキバオーの頭が上がらないよう、空気抵抗を減らすために無理やり毛を掴んで頭を下げさせようとします
残り20mでマキバオーは初めて**「マスタングスペシャル」**を発動し、カスケードを抜き去ります。しかし、チュウ兵衛親分はその際、マキバオーの背中から落馬してしまいます
カスケードもチュウ兵衛親分のことを気にしながら走る中、マキバオーとカスケードはほぼ並んだ状態でゴールイン
写真判定の結果、勝利したのはカスケード。忠兵衛親分は命に別状はなかったものの、大怪我で手術が必要となりました
退院自体は10日ほどで可能でしたが、次の日本ダービーには間に合わず、今後マキバオーの背にはチュウ兵衛親分は乗れないと残酷な現実を告げられます
忠兵衛の危機と日本ダービー出場への挑戦
忠兵衛はマキバオーの精神的支柱であり、この事態は非常に悲しい出来事でした
脊椎をひどく痛めており、もし再び落馬すれば神経が切断され、命の危険もあると診断されており
しかし、周囲の人々は「ダービーだけでも頼む」と懇願し、マキバオーも「毎日リンゴを持ってくる」とチュウ兵衛を励まします
日本ダービーはチュウ兵衛の夢でもあり、乗れないことに落胆する彼。しかし、ダービー前のレースでは、忠兵衛がいないためマキバオーはベアナックルに敗れ、2位に終わります
日本ダービーでは、マキバオーの鞍に忠兵衛が収まるポケットを作ることで出場が許されました。落馬の危険性はあるものの、勘助がポケットの中にいれば出場できるという、願ってもない条件です
三位一体で挑む壮絶なダービー
三位一体でのダービー制覇を目指し、レースが始まります
序盤、マキバオーは逃げ切り作戦をとり、早くもマスタングスペシャルを使い果たします。カスケードが後ろから追い上げ、マキバオーと勘助は体力の限界に達します
チュウ衛親分はマキバオーを鼓舞しますが、カスケードが前に出てしまいます。危険を顧みず、チュウ兵衛は再びマキバオーの顔が上がらないように掴み、マキバオーは加速します
ゴール直前、マキバオーがジャンプした衝撃でチュウ兵衛と勘助は落馬します。しかし今回は勘助がチュウ兵衛をキャッチし、チュウ兵衛は無事難を逃れます
レース結果は写真判定にもつれ込み、17分11秒もの長い待機の後、同着優勝が発表されます
マキバオーと勘助は日本一の馬と日本一の騎手となり、忠兵衛は日本一の親分と呼ばれます。疲れから表彰式には行かず、モニター越しにインタビューを見守った忠兵衛は、「まだ終わりじゃねぇ」と涙を流すのでした
マキバオー最大の試練!チュウ兵衛死亡で奮闘する白い神馬の物語
インタビューが終わり、忠兵衛の元に戻ったマキバオーと勘助を待っていたのは、忠兵衛が亡くなっていたという衝撃の事実でした
アニメ版では忠兵衛は死なないものの、原作では亡くなる展開となっており、読者に大きな驚きを与えました
皆が悲しみに暮れる中、カスケードが現れます
彼は優勝旗を垂れ下げ、その旗をチュウ兵衛にかけてあげました
チュウ兵衛の勝利を称えるその言葉に、思わず読者も胸を打たれます。
画面の前の読者も自然と目を潤ませます。
「カスケード、かっこよすぎ…」「さすが帝王だ…」と、SNSでは興奮のコメントが飛び交いました
精神的支柱を失ったマキバオーですが、喪失感を乗り越え、その後もレースを重ねていきます。
マキバオー最終章直前!ワールドカップ編での壮絶バトルと伝説のベアナック
最終話を語る上で欠かせないのが、その直前の壮絶なレース「ワールドカップ編」です。
このレースでは、黒い帝王・カスケード引退後、各国から選ばれた競走馬たちが第1レースから第5レースまでを戦い、総合点で勝敗を競います
日本代表として参戦するのはもちろんマキバオー。さらに、アゴ、ワクチン、ニトロニクス、ベアナックルなども加わり、熾烈な戦いを繰り広げます
特に注目すべきは、第4レースで補欠だったベアナックルが、泥沼と化したコースを泳ぎ切って勝利するシーン。ここは二次元競馬ならではの迫力が強く印象に残る場面です
最強馬エルサレム登場と最終レースの戦い
アナックルの活躍もあり、第4レース終了時点で日本は首位に立つ。しかし、最終第5レースで登場するのは、世界最強馬と称されるエルサレムです
エルサレムは「聖馬」の異名を持ち、かつて凱旋門賞でカスケードを破った実力馬である。ただし、凱旋門賞当時のカスケードは病に蝕まれており、全盛期のどちらが最強かという論争は今も続いています
レース序盤、ベアナックルが先頭を走る中、マキバオーとエルサレムが徐々に追い上げる。最後の直線では、ベアナックル、エルサレム、マキバオーの三頭が並ぶシーンが印象的です
マキバオーが一時先頭に立つものの、エルサレムにあっという間に抜き返され、差は広がっていく。マキバオーは追いつこうと力を振り絞るが、圧倒的な速さの前に体はフラフラになってしまいます
エルサレムが最強たる所以
エルサレムがこれほど強い理由は、単なる血統や実績だけではない。彼は「聖馬」に加え、「ジェネシスの再来」とも称される
ジェネシスは5年前、障害成績27戦24勝という長命馬だったが、3年前に輸送中の事故で死亡したとされていた。しかし、事故当時にはデビュー前のエルサレムも輸送機に乗っており、砂漠の中で奇跡的に生き延びていたのです
ジェネシスは右前足を切断され、水も食料もない砂漠で衰弱し、ついに息を引き取る。残されたエルサレムも飢えに襲われ、極限状態でジェネシスの血を飲み命を繋いだのです
この過酷な体験が、彼を「負けることを許さない化け物」へと変貌させ、今日の最強馬エルサレムの精神を形作りました
ワールドカップ最終レースの激闘
精神力チートのエルサレムは、マキバオーの追跡を振り切りトップを独走します
勝負根性では負けていないマキバオーは、フラフラになりながらもカスケードやチュウ兵衛親分を思い出し、最後の力を振り絞り臨界突破するのです
心臓に爆弾を抱えるマキバオーに、おっちゃんたちは止めようとするが、その声は届かず、さらにペースを上げます
ここからはナレーションベースの「詩」のような展開となります
「あの黒い馬、すごく早かったのよね」
「走っても走っても追いつけない、完全に負けたのよね」
「なんか悔しかったのよね」
「もうあんな悔しい思いはしたくないのよね」
「だから走るのよね」
「抜かれると悔しいけど、抜くのは嬉しい」
「だから頑張って世界一嬉しい思いをするのね」
次の瞬間、読者の目に飛び込んできたのは、燃え尽きたマキバオー、そして人馬ともに倒れたまま動かない衝撃の見開きでした
レースはエルサレムの勝利で幕を閉じるます
マキバオーの引退と治療
時は流れ、舞台は京都競馬場。最強世代を担ったアマゴワクチンの引退式が開かれています
マキバオーはあのレースの終盤、心臓に負担をかけすぎたことで意識を失い、両足骨折の重傷を負い
これは競走馬生命が絶たれたことを意味しています
「わしと緒に牧場へ帰ろうなあ、マキバオー」というおっちゃんの言葉が、胸に熱いものを込み上げてきます
その後、牧場に戻ったマキバオーは、源次郎とともに諦めず治療に専念します
全国から励ましの手紙が届き、その声に応えようと懸命に治療に耐える姿は、読者に深い感動を与えるのです
マキバオーの奇跡の復活とジャパンチャンピオンシップ
マキバオーは重傷から奇跡的な復活を遂げ、ジャパンチャンピオンシップに出場します
このレースには、聖馬エルサレムも引退レースとして出走するが、本命は電撃ブリッツという馬です
電撃ブリッツはマキバオーと同じ母を持つ半弟で、現時点での最強馬として描かています
さらに、ベアナックルも登場し、その風貌や能力が生まれながらの逸材であることが強調されています
世代交代を描くレース
このレースは、全盛期の電撃ブリッツと、ピークを過ぎたマキバオーやエルサレムという「新旧対決」として描かれています
レース終盤では、ワールドカップ同様に静寂とナレーションを用いた演出が入り、競馬の血統や歴史を詩的に語られます
ナレーションでは、ノーザンダンサーの血が競馬界に脈々と受け継がれてきたことを示しつつ、過去の名馬たちの努力と犠牲があってこそ、今日の名馬が存在することを…
さらに、その血は後続の馬たちによって未来へとつながれていくことも強調される。
この演出により、世代交代を象徴するレースとなり、マキバオーは勝利を収められないものの、競馬の現実や血統の重みをリアルに描く構成となっている
続編たいようのマキバオー:母の匂いと小さな英雄
場面は緑牧場に移り、マキバオーを彷彿とさせる子馬が登場します
その子馬は親の匂いを嗅いで思わず失禁するという、物語序盤を思わせるギャグ展開が描かれます
子馬の世話をしているのは、マキバオーの母・ミドリコと思われる馬で、最後のコマでは「そうよ、あなたのうんこよ」と語りかけるシーンで締めくくられます
うんこで終わるところがマキバオーのらしく笑ってしまいますね
この子馬こそが、続編**『たいようのマキバオー』の主人公となるヒノデマキバオー(通称:ブン太)**です。
補足:マキバオー 打ち切りの理由とは!?知られざる完結編
マキバオーはシリーズ後半は、やや打ち切りの形で終了した経緯があります。当時は長期間『週刊少年ジャンプ』で連載されておらず、最終的な完結編は『赤丸ジャンプ』にて描かれました。
そのため、当時『ジャンプ』を購読されていた読者の中には、完結編を知らない方も多いのではないかと思われます
googleでマキバオーを調べたさいに「マキバオー打ち切り理由」が表示される理由です
1冊115円のDMMコミックレンタル!名作『みどりのマキバオー』も、この機会にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。小さな白い競走馬・マキバオーが、仲間たちとともにデカイ夢に挑む感動のストーリー!笑いあり涙ありの熱いレース展開は、90年代ジャンプ黄金期を彩った名作です。
手軽な価格で、ダービーやカスケードとの名勝負をもう一度体験しましょう!
チュウ兵衛との絆、ダービー同着優勝…マキバオー死亡の真実の概要
記事の内容をまとめてみました
『みどりのマキバオー』物語の軌跡(連載開始〜最終章)
誕生と運命の出会い
- 異例の誕生と外見の苦難: 競走馬・**緑子(ミドリコ)**から生まれるも、豚の胴体にカバの頭のような異形の姿。自力で胎内から出ようとするほどの並外れた根性を見せる。
- 母の決意と別れ: 牧場関係者に「馬肉にすべき」と言われる中、母・緑子はマキバオーの潜在能力を信じて競走馬に育てることを決意。しかし、牧場の経営難から緑子はヒゲ牧場に売られてしまう。
- 「うんこたれ蔵」誕生: 母を追う道中、マキバオーはネズミのチュウ兵衛に出会い、野犬の群れに襲われた際、恐怖で失禁した様子から**「うんこたれ蔵」**と名付けられる。
- 母の愛に気づいた瞬間: ヒゲ牧場で再会した緑子に突き放されるが、それは自身のためを思って心を鬼にした母の愛だと気づく。再び緑子の元へ戻り「ありがとう、お母さん」と感謝を伝える感動の再会を果たす。
デビューと才能の開花
- 最強のライバルと遭遇: リッチファームで、朝日杯3歳Sで3着のスピードボールを圧倒した漆黒の馬、カスケードと出会う。公開調教で圧倒的な力の差を見せつけられ、ショックで意識不明に陥る。
- 心臓4倍の奇跡: 獣医の診断により、マキバオーの心臓が体重比で通常の馬の**約4倍(4%)もある、「F1エンジンを搭載した純血の仔馬」**であるという天賦の才能が判明する。
- 運命のコンビ結成: 馬体が小さすぎるため騎手がいないマキバオーは、落馬事故のトラウマで普通の馬に乗れない元天才騎手・**山本菅助(やまもと かんすけ)**と出会い、「ポンコツ」同士の最強コンビを結成する。
- 衝撃のデビュー戦: トレセンへ入厩し**「ミドリマキバオー」と正式命名。デビュー戦で母を奪ったヒゲ牧場の馬にパニックになるが、牧場長の決死の叫びで闘志が復活。距離ロスの少ないインコース強襲**という奇策で奇跡の1着勝利を飾る。
G1への挑戦と必殺技の習得
- 雨の日の奥義「つま先走法」: マキバオーの弱点である「濡れた芝で滑る」ことを克服するため、**「蹄のつま先を立てて走る」必殺の「つま先走法」**を開発。足の負担が大きいが、ラスト100m限定の奥義として函館2歳Sを勝利する。
- 朝日杯での奇策: 2歳王者決定戦・朝日杯3歳Sでは、3強による異例の逃げ合戦に。チュウ兵衛の機転により、ハチマキで視界を遮る**「目隠し走法」**を敢行し、ライバルとの激戦で力を温存する。
- カスケードの覚醒と敗北: ゴール前、カスケードが頭が地面につくほどの驚異的なフォームで猛加速。「神の素質」を開花させ、マキバオーを抜き去り圧勝(マキバオーはハナ差の3着)。この敗北がマキバオーのさらなる成長を促す。
- 「マスタングスペシャル」再覚醒: モンゴルでの特訓を経て、前後対称に脚を動かす自身の原点であり、通常の2倍の力を生む必殺走法**「マスタングスペシャル」**を再覚醒させる。
皐月賞とダービー、そして最大の悲劇
- 皐月賞での落馬: G1皐月賞で「マスタングスペシャル」を発動しカスケードを抜き去るが、チュウ兵衛が落馬。レースは写真判定でカスケードに敗北。チュウ兵衛はダービー出走が不可能な重傷を負う。
- 日本ダービーの奇跡: チュウ兵衛の夢を叶えるため、鞍に忠兵衛が収まるポケットを作ることで出場。レースはマキバオー、菅助、忠兵衛の「三位一体」で挑み、激闘の末にカスケードと史上初の同着優勝を果たす。
- チュウ兵衛の死: ダービー優勝直後、マキバオーと菅助が戻った場所で、チュウ兵衛が静かに息を引き取っていたという衝撃の事実が判明(原作版)。カスケードが優勝旗を忠兵衛にかけるシーンは読者の心に深く刻まれた。
最終章と続編へのバトン
- ワールドカップでの激闘: チュウ兵衛の死を乗り越え、ワールドカップ編で世界最強馬エルサレムや、伝説の馬ベアナックルらと激戦を繰り広げる。
- 心臓の臨界突破と引退: 最終レースでエルサレムを追い、心臓に過大な負担をかけ臨界突破。レース後、意識を失い、両足骨折の重傷を負い、競走馬としての生命を絶たれる。
- 奇跡の復活と世代交代: 懸命な治療を経て、引退レースとなるジャパンチャンピオンシップに出場。マキバオーと同じ母を持つ半弟・電撃ブリッツら、新世代との対決を通じて、競馬の血統や歴史が次世代に受け継がれるというテーマが詩的に描かれる。
- 続編への繋がり: 物語の最後に、緑牧場でマキバオーを彷彿とさせる子馬が、親の匂いに失禁するというギャグと共に登場。この子馬(ヒノデマキバオー / ブン太)こそが、続編**『たいようのマキバオー』**の主人公となる。
補足:打ち切りと完結編
- 「打ち切り」の理由: 本作は連載後半、当時の『週刊少年ジャンプ』での連載が長期間休載した経緯があり、最終的な完結編は『赤丸ジャンプ』に掲載されたため、「打ち切り」と検索される要因の一つとなっている。


